【訪日外国人誘致&観光立国&東京五輪】 もっと世界の東京へ。アジアを代表するカッコイイ世界都市に!

2020年東京五輪の目抜き通り「新虎通り」交差点にある株式会社室町屋の代表が、16年に及ぶ「広報・PR」の仕事や若い頃暮らしたカナダで培った知識や体験を元に、東京五輪に向けた観光PR、訪日外国人観光客招致、景観論、社会論などを提案します。趣味の作詞も発表しています!

【広報PR・入門編】PRって何なのでしょうか?広告とどう違うのでしょうか。

広報活動は、タイトルや職業、おかれた環境など関係なく、実に様々で多くの人に接することができ、また社会の裏にある世界なども垣間見たりしながら、様々なドラマを見ることができる職業の1つです。

 

さて、仕事上広告の悪口を言うことはできないのですが、もし一企業として広告を定期的に出向しないのであれば、私はその分「広報活動」に注力することをお勧めします。それは、莫大な費用と一過性という産物が比例する広告では成し遂げられない、信頼や可能性などを引き出すことができるからです。

しかし従来型の日本の企業においては、広報といえば、社長室付の秘書のような役割や受身的な体制の色が強く、どっちかというと積極的に売り込んでいくのではなく、かかってきた獲物に対して対応するという場面が多かったように思えます。

昨今は、企業不祥事、環境問題、決算、CSR、社内コミュニケーションなど新しい課題が年々増え続け、広報PRの需要が増すとともに積極的に内外へコミュニケーションをアピールしていく必要性も生まれてきました。またビジネスは国際競争に晒され、「控えめ=美徳」とは言えない時代になってきています。ここが勝負の分かれ目でもあります。

さて、広報の英語はPR(パブリック・リレーション)ですが、そのPRの意義について述べさせて頂きたいと思います。まず、広報PRの目的って、何だと思いますか?

 

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そうです。「企業の認知を広める」です。事業内容を理解してもらう、製品やサービスに対する理解を深める、お客様、パートナー、株主など様々なステークホルダーの信頼を得るなどです。それって、全てはより良好なビジネス環境を作るためのエッセンスなんです。ですから広報に対しバックオフィス的な考えを持ってしまうのはもったいないどころか、ビジネス上危険なのです。

広報PRは、経営における重要な武器や戦力部隊です。では実際、PRと広告ってどう違うのでしょうか。下記をスライドを見てください。

 

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見た目同じカテゴリーだし系列業界なので非常に似ているようですが、実は性質は全く別のものです。広告の場合、基本的なコミュニケーションのメインはスポンサーです。そしてメディアの中にある広告担当部署が彼らに対して対応します。これは非常にシンプルで、ようはいくらお金をかけるか、かけられるかです。よくその会社の事業規模やインフラなどから考えて、あまりにも多額の広告費を「かけすぎている会社」には気をつけなさい、と言われます。想定外の結果に陥り、広告費で負債に陥る会社が多いからです。何かに焦ってしまっている会社にもこの傾向が見受けられます。広告代理店の言いなりで広告を出しすぎ、サービス・オーバーというフローに陥ってしまい企業価値が著しく低下してしまう、しかも社長の英断だから声も出せない、このような状況って結構深刻なんですよ。昭和の昔と違い、「広告=収益」という方式が中々成立しづらい昨今ではなおさらです。このような状態では本末転倒です。外資系企業であれば、日本市場撤退になったりすることも現実にあります。

 

現在は過去の実例からある程度は学ぶことができるので、これらは、質実剛健的な部分は確実に保守し、きちんとリスクヘッジしていかなければならないように感じます。仕事上あまり詳しくは記載できませんが、それほど広告の費用は高いのです。そして広告に対しての費用対効果はどうでしょうか。コストパフォーマンスは?企業(社長やマーケティング)の自己満足だったりすることはないでしょうか。広告は認知度を高めるツールとして重要なことには違いありませんが、その手法を随時検討して、変更や調整をしていくのは、大切なことです。お金を沢山出せばよいというものでは決してありません。

一方PRは、雑誌や新聞、Webメディアでいうと、編集部の方たちとお付き合いをします。ようは記事として可能性があることを考え、記者に売り込みを図るのです。これはPRの仕事の中では、「メディア・リレーション」と呼ばれています。実は、私たちが目にする多くの記事の水面下では、このような活動が行われていたりするわけなのです。

しかも結果が出たら、それは非常に効果的な結果を生み出します。広告より記者によって編集された記事の方が信頼性が増しますし、それはいくらお金を払っても成し遂げられないプライスレスなものです。またその活動にはお金はかからない。人件費を除けば、交通費、飲食費、コピー費、メディアキットの製作費用など位でしょう。

しかし一つ問題もあります。それはPRは広告のように「確実性でなものではない」ということです。なので、もしも超短期的に物事の物差しを計るのであれば広告が妥当だと思いますし、長期的にジワジワしてくる余裕がきちんとある会社や組織であれば、広報に力を入れるべきだと思います。そして、広告と広報を上手に組み合わせていくのが重要なのではないでしょうか。

現在私が関わっているクライアントは広告をめったに出しません。コミュニケーション活動の主は、すべて広報PRです。例えば社長(またはその他取締役)のインタビューを誘致し、その流れで様々なイベントを開催して講演をする、そんな機会が増えた企業もあります。そのような社長には、「謙虚さを忘れないスター」として今後も邁進し続けてほしいなと、私も裏方として頑張りたいと思っています。そのようにして物事がWin-Winになっていくことに、広報としての意義や面白さがあるように感じます。

皆さまの広報PR活動は如何でしょうか。国境を簡単に越えてしまう現在、控えめえめばかりが重要なことではありません。今の日本経済や社会に求められているのは、自信を持った、積極的なPR戦略だと思っています。そしてそこから、様々なプラスの形に変化していくことが可能なのです。