【訪日外国人誘致&観光立国&東京五輪】 もっと世界の東京へ。アジアを代表するカッコイイ世界都市に!

2020年東京五輪の目抜き通り「新虎通り」交差点にある株式会社室町屋の代表が、16年に及ぶ「広報・PR」の仕事や若い頃暮らしたカナダで培った知識や体験を元に、東京五輪に向けた観光PR、訪日外国人観光客招致、景観論、社会論などを提案します。趣味の作詞も発表しています!

【広報PR入門】シンプルなようで分かりにくい「パブリシティ活動」の基本と「メディアとの関わり」

今回は、知っているようで知らない(→分かりにくい)パブリシティ活動について取り上げたいと思います。PR会社ではこれをメディアリレーションと言います。

 

企業、組織や機関(または個人)においてPR活動する目的は何でしょうか。地域社会、政府、業界、お客様、パートナー、オピニオンリーダー、一般大衆、そして株主に、信頼や存在を認めてもらうためです。

 

そのためには、メディアという機関を経由する手法が、一番効果があるのです。(とされているのです。)そう、メディアはただ一般大衆として受身で見たり読んだりするだけではない機能を持っているのです。そしてメディア側も、随時最新の情報を収集しなければならないという宿命を背負っているのです。

 

メディアに関してですが、メディア=著名な媒体(TV・新聞・雑誌・ウェブ)だけが大切なのではありません。当人(例えば企業)の目的に合わせて、目的に沿ったメディアへ活動をすることによって、その企業が求める最大限の可能性が引き出せるのです。それは例えば特定業界の人が読む業界紙だったりしますし、ニッチな専門サイト媒体だったりもします。だから闇雲に全てにアタックというのは逆にリスクとなりますし、資金や体力が持たないばかりか、情報の価値が薄れてしまいます。例えば新聞だったら一般紙、専門紙、外国語紙に分かれているし、雑誌であれば一般週刊誌、経済経営誌、月刊一般誌などに分かれます。またテレビ、ラジオが大切なのは勿論ですが、ニュースを集めて配信する会社、通信社というのが存在します。共同通信時事通信、ロイター、ダウジョーンズなど色々存在します。そして他書籍、ウェブ。。。最も重要な媒体の一つですね。それらの機関とのコーディネーションが
メディアリレーション、またはパブリシティ活動と呼ばれます。

 

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*下記は英語ですが、企業とメディアとの関係(関わり)について説明してあります。大手企業だけではありません、中小企業や個人事業主の皆さまにこそ、実は事業とメディアが密繋がっていることを知って頂きたいと思います。

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さて、どうやってメディアとの付き合いをすればよいのでしょうか。きっかけは?見も知らぬ人たちとどうやって関係を持てばよいのでしょうか?もちろん、学生時代の友人だったり、知人を通してというのは強力です。ただ、それはあくまでも特別な例です。

 

通常は、ニュースリリース(または報道資料)と呼ばれる書類を作成します。それには、伝えたい事項、サマリー、企業や組織の概要、コンタクト先などが詳細に記載されています。通常は1枚から3枚が普通です。(これについてはまた近々特集します。)

次に記者会見、個別のインタビューの設定、記者説明会&ブリーフィング(記者を集めて説明会を開催する。ランチを交えながらのランチョンと呼ばれる場合もあるし、
レストランや特定の場所に招待して行う場合もある。)、特定イベントへの取材誘致、取材旅行、など色々な手法があります。広報は、限られたバジェットと、製品やサービスとのバランスを考えながら、色々最大限の試行錯誤するわけです。

メディアとの出会いのきっかけ作りは、実に色々なやり方があるんですよ!

 

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さあ、ここまでくると、一番大切なものは肝心な「情報」です。よくある勘違いですが、求める側が一生懸命でも、片思いに終始してしまうという場合があります。それは、情報の材料がきちんと組み立てられていなかったり、ただ取り上げられればよいという、社会の風を無視した強引さから来る場合があります。同じソースだったとしても、それぞれ媒体の種類によって提供する情報はガラッと変わります。

では一体、どのような情報をメディアは望んでいるのでしょうか。まず、業績・企業戦略・事業プラン新技術(サービス)・新製品(サービス)人事・合併・提携トップの言動や動向そして数字(できるだけ具体的に)です。


数字があれば記事にしやすいのですが、実際は数字を出せないという企業が実に多い。例えば、売り上げ数値目標とか、まだ公表できない製品やサービスの値段とか、
外資系だと、年間または現在の売り上げや利益率などは、日本単独では公表できない
場合が多いです。実際詳細な数字は出せない場合が多いと思いますので、その場合は「%」に変えてざっくりとしたり、他の事例を出して想像しやすいようにしたり、
(あくまで企業から出た数字ではない→リスクヘッジ)目標の数値に変えたりする手があります。また、その業界の流れや、背景情報、ちょっとした裏話は、記者はそういうことを知るすべもないので、重要です。記者と仲良くなれる秘訣でもあります。

 

「しかし」、注意しないといけないのは、話が弾み、オフレコのつもりで言ったことでも、それは公言してしまったと同様の行動となってしまうことです。言えること、言えないことという線の認識は、広報に携わる人には必ず備え付けられていなければ
なりません。企業や組織の活動を守るため、これは必ず徹底しないといけません。
例えそれが記者に記事を書いてもらいための努力だったとしても、それは広報に携わる人の心構えや責任ですし、内容によっては、社内問題を飛び越えて、情報漏えいや、刑事責任になる場合もあります。記者の責任ではありません。それどころかスクープです。もしかしたら、競争他社に情報が提供されているかもしれません。
シリアスな業界によっては、スパイもいます。

 

ちょっと怖いことを言ってしまいましたが、その感覚に慣れてくれば、メディアからも色々なこぼれ話を聞くことができたり、広報活動の糧になります。また記者と一生の付き合いになったりして、その後の人生が有意義になる場合もあるでしょうね。
ただ「付かず離れずの程よい距離」を保つのが基本、すなわち原則です。

特定の癒着を避けるために、特に新聞などは人事編成がしょっちゅうなのです。
だからこそ、広報が有頂天になってしまってはよくありません。常に冷静に付かず離れず。。。広報の基本です。

 

上記以外には、時代(トレンド)を反映してる情報か、期待感が持てるか、そしてヒューマンストーリー(例えば企業の代表者とインタビューを設定して、その人柄などをアピールすることによって、記事の中に公表したい情報も入ってしまうのが理想。)もあります。これは重要です。また、社長をスターに仕立てるのも、広報の重要な任務です。そして一番大切なのは、「旬」な情報ということ。旬がなければ、情報の価値は紙切れ一枚、ゼロです。またその旬を作るのも、マーケティング活動におおいて重要なパートでもあり、広報の仕事なのです。

 

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実際、ネガティブな話題の場合は別にして、記事化されたときの喜びや充実感は
言葉では表しきれないものです。ぜひ、広報ならではのランナーズ・ハイを発見して、日々の仕事を Win-Winにつなげ、充実させていって頂きたいと思います。
広報に興味を持たれている方、これから携わる方は少しでも様子を分かって頂ければ幸いです。

また現在すでにそのような活動を日々こなされているプロフェッショナルな方は、
たとえ将来全く違う道や仕事に進んでいたとしても、今その瞬間瞬間を味わって謳歌し、自信となって、色々な意味で糧にして飛翔していって頂きたいと思っています。
そう、広報で得たノウハウは、実は人生色々なことに応用できてしまうのです。

 

このブログでは、今後も色々な広報を取り上げたいと思います。また、経営者の方々に耳寄りな広報話なども提供できたらと思っています。