LGBT(性的少数者)歓迎の意志表示で、さらなる訪日外国人観光客のチャンスを掴む!
欧米の潮流や社会変化とは裏腹に、今まで日本ではあまり話題にもならなかったLGBT関連のニュース。東京五輪を前にして、この所、日本でも少しずつ変化の兆しが訪れています。LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(同性愛者)の頭文字を繋げた文字の略称です。
ヨーロッパ、北米、オセアニアでは、古くからの社会運動とともに理解を深め、婚姻を認める国や州が激増の一途をたどっています。また著名な政治家・経営者・ニュースキャスター・芸能人と行った方たちがカミングアウトする機会も増え、認識の向上に役立っています。アップルのCEOの告白も話題になりました。そして今、キャリアな方が多いとされる彼ら(彼女ら)が齎す経済効果に期待が集まっています。
五輪を前に、日本のLGBTだけでなく、海外からのLGBT観光客をも取り込んでいくためには何が必要なのか。また日本がより開かれたダイバーシティな国になって行くために、何が必要なのか。今回はそこをテーマに掘り下げてみたいと思います。
昨年東京ディズニーランドでレズビアンカップルの結婚式が行われました。もちろん日本ではLGBTの婚姻は法的に認められておらず、未だにカヤの外です。だから形式上は友情結婚式的なものとなります。それに続いて京都の寺院や一部ホテルではLGBTの結婚式の受け入れを始めました。外国人で京都で和の結婚式を挙げることも、少し話題になりました。行政も動き始めています。JNTO(政府観光局)では、LGBT向けの日本旅行サイトも作りました。(まだ発展途上中のサイトではありますが)
Japan Travel Info - The Gay & Lesbian Guide to Japan.
日本が誰でも安心して旅行ができる国、文化立国で多様性に富んだ先進国、そしてオープンな企業だということを理解してもらうためには、LGBTフレンドリーであることをアピールしていくことは重要です。そしてそれによって、クローズドにならざるを得ない日本人の多くのLGBTにも、希望というメリットが享受できると考えます。
さて、私が考える行政や企業の活動ポイントは以下のようなものです。
①レインボーのシール(LGBTのお客様を歓迎する意味)を作成し、HPや店舗の入口に提示する。
②同性カップルやグループを見てもびっくりすることなく、普通に振る舞えるように理解を促進させる。(セミナー・冊子・行政などを通じて)
③お客様のプライベートに踏み込むことなく、言葉遣いや気遣いなどを行使できるような理解を深める。(セミナー・冊子・行政などを通じて)
⑤LGBTの方は、美的感覚や感性に秀でている人が多い。なので受け入れる側も、デザイン・美しさ・感性などに気を遣うようにする。(例:和の美しさなど)
⑥みんな同じ人間。LGBTだからと言って特別視することなく、自然な形で振る舞えるように理解を促進。
私の体験上、欧米の社会運動の潮流に約10~20年遅れて、日本へ流れが到達してくるような気がします。昨今は女性の活躍に期待が高まっています。そして次に来るのはLGBTだと思われます。広がって行く市場と商機をどう捉えて行くか、そこが経済の分岐点になって行くのではないかと考えています。
実はアジアにおけるLGBTの先進国の一つに台湾やタイが上げられます。欧米の優良顧客(訪日観光客)をいかに魅力的に、そして上手に受け入れていくか。日本が観光立国・文化立国の先進国として、また選ばれる国としてのブランド価値を上げて行くためには、LGBTへの取り組みも非常に大切なのです。(→グローバル社会の中において先進なジャパンブランドとして君臨していくため、そして他のアジア各国との差別化を図るうえでも重要です。)
外国人の目線も意識したこれからの情報発信やサービスに、今後さらに期待が集まっていくと予想しています。
追伸:レインボーの旗は「プライド(誇り)の証」と言われ、世界のLGBTにおけるシンボルカラーとなっています。