【訪日外国人誘致&観光立国&東京五輪】 もっと世界の東京へ。アジアを代表するカッコイイ世界都市に!

2020年東京五輪の目抜き通り「新虎通り」交差点にある株式会社室町屋の代表が、16年に及ぶ「広報・PR」の仕事や若い頃暮らしたカナダで培った知識や体験を元に、東京五輪に向けた観光PR、訪日外国人観光客招致、景観論、社会論などを提案します。趣味の作詞も発表しています!

【Part1:街路樹都市ブランディング】街路樹の豊かさを甘受できていない日本の都市環境

日本の街並みに足りないもの、その一つに街路樹の少なさが上げられると思います。都市の目抜き通りには多く街路樹が見られますが、枝の剪定が激しく、毎年やってくる夏の暑さの中において日陰という恩恵を与っていません。そして住宅街になると、田園調布や成城学園などのほんの一部の特別地域を除けば街路樹はほぼゼロ。家や建物と道路がキツキツに密集している自然のうるおいに欠けている姿が一般の日本の街並みと言えるでしょう。例えばこんな感じです。

 

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都内の一般的な住宅地。第一種住居地域、もしくは中高層専用地域です。(この写真はましな方ですが)

 

その東京都は現在、街路樹を100万本に増やすべく、プランを実行中です。(因みに現在東京には街路樹が約486,000本あるそうです。)

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≪東京都の街路樹100万本計画に関する詳細≫

http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/tokyo_of_2020/action_program/booklet_of_ap2013/pdf/summary_booklet_of_ap2013_05.pdf

 

このプロジェクト、2007年設立当時から次のような事項を上げています。

①緑の拠点を街路樹で結ぶ「グリーンロード・ネットワーク」の形成
⇒2016年までに、都内の街路樹を100万本に倍増
②皇居と同じ大きさの緑の島が出現(「海の森」を整備)
③新たに1000ヘクタールの緑を創出、緑化への機運を高め、
行動を促す「緑のムーブメント」を東京全体で展開、
④学校の校庭の芝生化
⑤無電柱化の推進
⑥屋上・壁面、鉄道敷地・駐車場、
その他あらゆる都市空間の緑化などを推進していく

◆◆◆◆

しかしながら…、都内に日々暮らしていて緑が増えたという感触はあまりないのですね。中々プロジェクトが進んでいないよう気がします。また予算の関係だとは思うのですが、既存の街路樹は下記の写真のような様相。都内だけではなく日本中の街中で見られる光景です。そう、剪定しすぎなのです。これは景観的に見苦しいだけでなく、先ほども言いましたが木々の素晴らしさを甘受することが到底できません。本来夏の葉の木陰は猛暑を和らげる効果があると思いますが、これでは全くの無意味です。(しかもふと気づいたのですが、大木が殆どありませんね。多くの木々は細い木です。)また以前伐採をしている役所の方に質問をしたことがあるのですが、直接枝が落ちる、葉っぱが邪魔という苦情が絶えない…という剪定の理由もあるようです。

 

下記は東京における酸素供給源の一つ、芝公園。街路樹が泣いているようです。

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下記は五反田駅前の街路樹。酷いことになっています。どうやって葉を付けるのでしょうか。人々はこの潤いのない環境下で幸せなのでしょうか。

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 これは神谷町駅付近です。手前が行政管理、奥側は森トラストさん管理の街路樹。森トラストさんの管理エリアはこんもりとしていますが、行政管理側はご覧の通り。同じ道路でもずいぶんと違います。先日渋谷に行きましたが、道玄坂を除く通りは同じ様相でした。

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美しい街路樹は、景観・美観、夏の冷房効果(日差しよけ)、環境保全、空気の清浄、水の還元、騒音や排気ガスよけ、歩行者を車の危険性から守る、潤いなど様々な長所があります。

 

北米や欧州、上海、シンガポールなどを旅すると、街路樹や芝生の素晴らしさにカルチャーショックを受けます。私が昔暮らした北米(カナダ)では、街路樹が道路をアーチのように覆ってしまうほど緑が豊富に、しかも身近にありました。もちろん大通りのみならず、殆どの住宅地エリアにも。

 

私はこれからの街ブランディングは、私は街路樹の豊かさが一つの要因となっていくと考えています。(東京都が目指している100万本プランも目指すものは同じだと思います。)その理由や経済的な側面を次回の記事で述べてみたいと思います。もしかすると地方活性化のヒントは「豊かな街路樹」にあるかもしれません!

 

追伸:

私と同じ意見を持たれた方の記事を発見したのでご参考までリンクをご紹介させていただきました。

http://sumai.nikkei.co.jp/edit/rba/etc/detail/MMSUa8000002052012/

http://sumai.nikkei.co.jp/edit/rba/etc/detail/MMSUa8000011052012/