下がり続ける「すかいらーく」の株価を「広報活動のマーケティング技術」で1,500円~2,000円台に上げていく方法
10月9日に、満を期して株価1,200円で再上場スタートしたすかいらーくですが、日々低迷してきています。期待されていた大型株なだけに、日経平均が約500円上がった日でさえ下がり続けてしまっているのは非常に問題だと思いますし、失望している人たちが多くいる状況は、IPO市場全体の流れにとってもよくありません。
消費税率が外食産業を直していること、円安傾向による材料費の高騰、人件費の高騰
光熱費の高騰など様々な要因があると思いますが、広報PRの立場から考えると、それ以外にも改革すべき多くの問題が存在します。
まずは優待券。一律2,000円というのはやはりどう考えても納得がいきません。100株以上、500以上、800以上、1000以上に優待券の価格を分けた方が結果的には成功の度合いが高まる訳で、株の購買意欲を掻き立て、それをPRの力で話題を方々へ広げていくべきだったと思います。
その上でいくつか気になっていることを述べたいと思います。
*もっと積極的なニュースの配信を!(広報活動の強化)
せっかく再上場したというのに、Googleニュースで調べても、すかいらーくの話題がタイミング的に少なすぎます。10月16日の「すかいらーく、ガストアプリ分析にトレジャーデータ採用」「食材を一括仕入れ、店舗ブランド別から展開」という記事のみ。しかもこれ、BtoBとしては大切なニュースですが、PR的にこの時期のニュースバリューとしてはそこまで重要ではありません。これでは一般消費者層にすかいらーくを惹きつけることは難しいです。週1回ずつ、様ざまな話題を広報で創り(ストーリーメーキング)、発信させた方が良いと思います。TV・新聞・雑誌・Webニュースと、好意的な記事数を増やしていくのです。
*社長の取材インタビュー機会を創出し、もっと戦略などの好意的な露出を増やす。
再上場日に、東証ではすかいらーく社長の囲みインタビューがありました。しかしそれではあまりにも不十分です。フィルターを通したうえで、取材機会を増やしていくべきです。2~3日「インタビュー集中日」を作り、どこかホテルの部屋を借りて取材を受けるということもよりよい広報活動の一つです。その場合、午前に1回、午後3回のぺースが妥当だと思います。もちろん広報側でメディアと事前調整し、取材票を作成し社長にブリーフィングすること、そして社長が知らない話題・課題なども事前に話します。
*再上場企画として、期間限定割引や特別メニューを作る。よい素材を使用していることなどをもっとアピール!被災地応援食材を使用することなども案。
これはイベントとして、旬なタレントや文化人を「すかいらーく大使」として全国のワイドショーやスポーツ新聞、Webニュースを対象として話題喚起させるものです。大使の囲み取材の裏にすかいらーく(もしくはガストなど)のパネルを置き、タレントが取材を受けている間はその裏にすかいらーく(もしくはガストなど)のロゴや文字が必ず映るようにします。
日本における多くの企業では、「広報PR」への価値が今なお置き去りにされています。市場や株価というのはイメージやニュース・話題作りで上下することも多々あります。これが「イメージアセスメント」と呼ばれる広報手法です。店舗の現場と違って、中々目に見えずらい広報活動ですが、経営主幹の一部としてその重要性を認識しつつ、それを見える形で主導させていくことが重要なのではないでしょうか。そしてその結果は、店舗で頑張っていらっしゃるスタッフの皆さまのモチベーションにも響いて行くものと信じています。
優待券を含む上記の活動を着実に実施し効果を見出していけば、想定値でおそらく株価1,500~2,000円以上は到達するのではないでしょうか。広報はそれほど重要な活動なのです。しかも広告と違って活動予算を抑えることができてしまいます。その費用対効果を鑑みると、すかいらーくは広報PRの活動をもっと積極的にしていくべきなのではないかと考えています。