災害時のために。外国人旅行者向け情報配信アプリ「Safety Tips」
訪日外国人の数が2014年9月はとうとう前年比26%増の109万9000人となりました。日本政府観光局(JNTO)の統計によると台湾からの観光客が際立っています。中国本土からの観光客も着実に増加しており、政治的な摩擦関係なく、中国内における「日本ブランド」を確立し始めている感がします。
今回の背景には、円安と、羽田空港国際線の増便、格安航空会社の相次ぐ就航、航空路線の拡充もあると思います。また、インドネシアやフィリピン、ベトナムに対して観光ビザの要件が緩和されたことも起因しています。日本政府観光局では、2014年1年間の外国人旅行者数が1,200万人に到達するのではないかと予想しています。もちろん諸外国の観光立国と比べればまだまだではありますが、日本が観光立国へ向けて舵を取り始めていることは確かです。
しかし気を配らなければいけないのが災害時。とにかく地震や台風など災害の多い日本。日本人向けの情報は整備されていても、日本語のわからない外国人観光客にとっては右往左往するしかできず、深刻な課題の一つです。地震すら存在しない国からきた観光客などは旅行中に大きな地震があった際、いったいどうなってしまうのでしょうか。彼らは言葉は勿論のこと、どこに避難したらよいかも分かりません。
そこで観光庁が立ち上げたのが「Safety Tips」です。
(*観光庁資料より)
このダウンロードアプリは、国内における緊急地震速報と津波警報を英語で通知する情報発信アプリです。また周囲の状況に照らした避難行動を英語で示した避難情報や、周りの人から情報を取るための伝言板(コミュニケーションコーナー)、災害時に必要な情報を収集できるリンク集など、訪日外国人旅行者のみならず、在住している外国人向けにも役立つ機能となっています。このアプリが命綱になるわけです。
さてこれをどうプロモーションしていくか。いきなり日本に来ていきなり災害時のアプリを、というのも唐突過ぎるし楽しいはずの日本旅行に水を差す恐れもありますので、強制することはできません。ですので、
■日本旅行に関する情報HPにバナーを貼る。(すぐダウンロードできるようにする)
■空港などで配布している主要情報冊子や地図の情報欄に入れてもらう。
■ホテル内で告知する。(部屋の中)
■空港やJRなど主要駅や空港などで告知(災害時には改札口に大きな掲示板を出して告知・説明する)
という形になるかなとは思います。
地震や津波、火山など、とにかく災害の多い日本。行政によってこのような多言語情報のインフラができたことは、観光立国に向けての素晴らしい前進だと思います。
≪Safty Tipsの概要≫
http://www.mlit.go.jp/common/001058529.pdf
≪ダウンロード≫
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.rcsc.safetyTips.android
iPhone: https://itunes.apple.com/jp/app/safety-tips/id858357174?mt=8