【訪日外国人誘致&観光立国&東京五輪】 もっと世界の東京へ。アジアを代表するカッコイイ世界都市に!

2020年東京五輪の目抜き通り「新虎通り」交差点にある株式会社室町屋の代表が、16年に及ぶ「広報・PR」の仕事や若い頃暮らしたカナダで培った知識や体験を元に、東京五輪に向けた観光PR、訪日外国人観光客招致、景観論、社会論などを提案します。趣味の作詞も発表しています!

世界の住みやすい都市ランキング・2位に東京が登場!京都と福岡もランク入り!(英語圏雑誌・MONOCLE・モノクル)

英語圏の情報雑誌MONOCLE(昔日本にもあったエスクワイアのような情報誌です)が選ぶ「世界で住みやすい都市」ランキングで、何と東京が第二位に選ばれました。因みに9位に京都、10位に福岡も入りました。

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1位:コペンハーゲンデンマーク

2位:東京(アジア圏では1位)

3位:メルボルン(オーストラリア)

4位:ストックホルム(スェーデン)

5位:ヘルシンキフィンランド

6位:ウィーン(オーストリア

7位:ジュネーブ(スイス)

8位:ミュンヘン

9位:京都

10位:福岡

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MONOCLEによると、ランキングは都市の経済面や社会面、そして機能面のみならず、毎日の暮らしやすさや人々に幸せをもたらす都市であるかどうかを、MONOCLEが設定した指標をベースに評価したものとなっています。その指標というのは、犯罪率・医療制度・公立学校の数や質・景気・公共交通網といったもののほか、緑地スペースの広さ(緑化率)・文化への取り組み・日照時間・電気自動車の充電スポットの数・新規ビジネスの立ち上げやすさといった項目まで。また今回の2014年版は新しく“自由主義的か規律を重んじるか”という指標も加わったそうです。(因みにアングロサクソンなどの欧米では自由主義の方に価値が高く置かれる傾向があります。)

下記は日本の各都市に対する評価です。

【東京に対する批評】

■巨大都市として経済面や文化面の恩恵があり、街の荒廃がない。食事、ショッピング、アートはこれまで以上に魅力的で、大都市であるにもかかわらず人々の親切心がある。厳しい法律により空気がきれいで、公共交通網が充実しており、車は必需品ではなくオプション品としてとどまっている。一方で、パチンコ店の数や公共の場における喫煙の禁止、労働時間過多といった点を改善すべき。

【京都に対する批評】

■学問からハイテク企業まで、昔の首都としての役割にとどまらない都市。毎年5,000万人の観光客が訪れるが、150万人が働く主要都市でもあり、人々は歴史と現代の生活のバランスを保とうとしている。街は安全で四季がはっきりしている。街の中心に緑地を増やすとなお素晴らしいでだろう。

【福岡に対する批評】

■日本国内の中小都市で独自路線を歩んでいる良い例。スモールビジネスが活性化しており、自転車通勤が人気。一方で増加する空き家の対策や、中国などから流れ込む大気汚染の対策を講じるべき。

 

あれ、このようなランキングの常連であるはずのバンクーバーは?シアトルやサンフランシスコは?ロンドンやベルリン、ミラノは?シンガポールやドバイは?と感じる方もいらっしゃると思います。白人層がアジアの都市(白人エリアでない)で暮らすのは大変な事。そしてこのような白人メディアに日本の都市が選ばれると、ホルホルする傾向があり、またその気持ちも理解できるのですが…。

実はこのMONOCLEは元々日本びいきのメディアで、JWAVEの番組などにもMONOCLEの編集長が度々登場して、東京の魅力を語っています。そういう一面があることも踏まえつつではありますが、このランキング、英語主要メディアにも色々転載・拡散されていまして、名実ともに東京が不動の地位を築いています。しかもアジアではトップという位置づけですので、影響力もあるかと思われます。

■下記はデンマーク政府(外務省)のHPから。

http://um.dk/en/news/newsdisplaypage/?newsID=B544E325-5A13-4DA9-B674-066CDA209596

 

ご存知の方も多いと思いますが、外国(特に欧米諸国)へ出るとまだまだ日本の印象や立ち位置は影が薄くて弱いのが現実。(地理的な面や人種的な面があることは否めない事実なのですが。)そんな状況下で、日本の都市が世界から選ばれるというのは凄いことです。だからこそ、このような「都市が持つ魅力」をさらに外部へ英語で上手く発信しアピールしていく、そんな広報活動の必要性も同時に感じました。

さて、その東京の魅力というものを最大限に発揮させていくには、やはり文化力の維持・さらなるボトムアップが必須です。「文化力」というのは、何も伝統的で高貴なものばかりではなく、斬新でサブカルチャーや生活に根付いたものもあります。それらを規制していくのではなく、政府が介在するのは必要最低限とし、グレーゾーンがあっても多少は許容しつつ、総合的な魅力として「自由主義的なブランディング」を図っていくというものです。

例えば近隣アジアのとある大都市は、空港は立派ですし、東京よりも道路の幅は広くて整然としています。超高層ビルが乱立し、超高層マンション(ピンからキリまで)だらけ。色々多様なエリアがありつつも、大体どこに行っても同じような雰囲気で、ちょっと奥に入ると昔ながらの街並みで所謂アジアのゴチャゴチャ系。社会的には、ミドルからアッパークラスは英才教育を受け、パリッとした白人層と同じような恰好をして、いかにも優等生的な感じです。でもこの都市、色々なランキングには決して入りません。しかも外国に移住していく人も多い。

それと比較して東京は、オタク文化(アキバ)あり、乙女ロード(池袋)あり、楽しい意味でのゴチャゴチャがあり(渋谷・原宿・下北・神楽坂)、スィーツ好きにはたまらないスポットあり(デパ地下・自由が丘スィーツフォレストなど)、ロストイントランスレーション的なネオンのぎらぎらあり(歌舞伎町など)、寺社仏閣などの伝統あり(浅草など)、ガンダムあり、人工ビーチや大きな公園や庭園あり…。つまり等身大で楽しめる要素がぎゅーっと詰まっている訳です。ヒッピーもヤッピーも、フリーターやモラトリアム中であろうと、アーティストであろうとビジネスエリートであろうと、さまざまなライフスタイルの老若男女の尊厳が守られ、許容し、生活を楽しむことができる。そこには自由や許容性があり、権力への戦いがある。その自由があるから創造性が生まれ、新しい文化や経済が生まれる。

それこそが東京の魅力であり、外国から尊敬される理由の一つなのではないかと思っています。だからこそ東京は、そのような自由度を最大限許容してあげる「大人力」が、今後益々大切になっていくと私は感じています。特にアジアの各都市と戦い差別化を図っていくには、この手法が一番効果的だと断言します。

(→日本が持てて、実はアジア各国が現時点では持っていないものだからです。)それを最大限生かしていくのが、これから東京がさらに成熟し、かつ成長していくためのエッセンスなのではないでしょうか。